気持ちが晴れない時やイライラした時、あなたはどうしていますか?
一晩ぐっすり寝れば忘れてしまう場合もあるでしょうが、仕事中だとそうはいかないですよね。
そこで、仕事中でもできる、気持ちを切り替えるための簡単なテクニックを3つご紹介します。
ネガティブな感情を消化しきれない人や、ついついまわりの人にぶつけてしまうという人は、ぜひ試してみてください。
1.背筋を伸ばす
背筋(はいきん)ではなく、背筋(せすじ)ですね。
気持ちの変化は姿勢に現れます。
暗い気持ちの時や落ち込んでいる時はうつむきがちになり、自然と背中が丸くなって姿勢が悪くなります。
姿勢が悪いと、脳が「この姿勢は落ち込んでいる姿勢だな」と解釈して、よけいに気持ちが沈んでしまいます。
脳は体からの情報をもとにして、今自分はどのような状態かを判断しているのです。
心の状態が体に反映されるように、体の状態も心に反映されます。
そこを逆に利用してしまいましょう。
気持ちが沈んだ時にこそ、姿勢を正してみるのです。
すると脳は、「この姿勢は自信にあふれて前向きな状態だな」と解釈します。
姿勢を変えることによって脳に錯覚を起こさせ、コントロールすることが出来るのです。
哲学者のアランは「幸福論」という本の中で『幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ』と言いました。
笑顔になると気持ちも楽しくなってきます。
これも、「笑顔」という体からの情報を脳が読み取り、気持ちに反映させているのです。
では、実践してみましょう。
『前向きな姿勢を作るコツ』をお教えします。
まずは①肩甲骨を後ろに引く
姿勢が悪いという事は、背中の肩甲骨が前に覆いかぶさっている状態です。
これを後ろに引き戻してあげれば、自然と胸を張った姿勢になります。
イメージしにくい場合は、両手を後ろの方で組んでみましょう。そしてグッと伸びをするような感覚です。
続いて②両足の親指の付け根に体重をかける
姿勢が悪い時は、どちらか片方の足のかかと寄りに体重がかかっています。
かかとに体重がかかると、後ろに倒れないようにバランスを取るので、上半身は前のめりになります。つまり猫背になるのです。
両足の親指の付け根に均等に体重をかけると、体はバランスを取って上半身を後ろに引き上げます。つまり胸を張った状態ですね。
この姿勢は重心を移動させやすい、いわば「臨戦態勢」ですので、頭もシャキッとしてきます。
つらい時こそ、姿勢を整えてみましょう。
2.正しく深呼吸をしてみる
ためしに一度、深呼吸をしてみてください。
息を大きく吸って~・・・吐いて~・・・
実はこれ、間違った深呼吸です。
正しくは、
息を大きく口から吐いて・・・ゆっくり鼻から吸って~・・・
です。
え?同じようなもんじゃないか?
いえいえ、ちゃんと理由があっての事なんです。
人間は、緊張したりストレスを感じると、呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなると、肺の中の空気の交換が効率よく行われずに、酸素が少ない空気が肺の中に留まります。
当然、体は酸素不足になりますし、特にたくさん酸素を消費する脳は真っ先に影響を受けます。
深呼吸が「大きく吐く」から始めるのは、まず肺の中にあるよどんだ空気を全部吐き出すためです。
最初に吸ってしまうと空気の交換がうまくいきません。それは深呼吸ではなく「ため息」です。
大きく吐いたら、次はゆっくりと鼻から空気を吸っていきましょう。
鼻から吸うと、肺に入る空気の温度と湿度が調整され、たくさん空気を吸う事が出来ます。
加えて、腹式呼吸もしやすくなります。
腹式呼吸とは、肺を膨らます横隔膜という筋肉を大きく動かして、深い呼吸をすることです。
ちなみに、呼吸を男女で比較すると、男性は腹式呼吸型、女性は胸式呼吸型の傾向があります。
胸式呼吸とは、ろっ骨を広げることによって行う呼吸の事です。
緊張状態にあるとろっ骨はうまく広がらなくなりますので、胸式呼吸傾向の人は呼吸が浅くなります。
女性に過呼吸が多い理由の一つです。
深呼吸を行う際、もう一つポイントがあります。
ゆっくり息を吸うときに、脳に酸素が行きわたるようにイメージするのです。
たっぷり取り込んだ新鮮な酸素が、自分の脳の隅々まで駆け巡る・・・
脳に新しい酸素をたっぷり与えてあげることで、気持ちがリフレッシュします。
イメージひとつで、結構違いますよ。
3.大声を出す
海に向かって「バカヤロー」と叫ぶとスッキリしますよね。
大声を出すのは、肺の空気を出し切るという行為ですから、深呼吸に似た効果があります。
また、普段出さないような声を出すことで解放感が生まれます。
大声を出すという行為が重要なので、叫ぶ内容は何でもいいんですが、「部長のバカヤロ~!」なんて叫んで、もし本人に聞かれてしまったら・・・という危険性もあるので、個人の悪口は避けた方がいいかもしれません。
そもそも、大声を出しているのを他人に聞かれると、びっくりされますから、出来るだけ人に聞こえないようにした方がいいかもしれませんね。
たとえば車の中やカラオケボックス。
クッションに顔をうずめて叫ぶのもいいでしょう。
声を出す時は、恥ずかしがらずに「私ってこんなに声が出るの?」って自分でびっくりするくらいにシャウトしてみてください。
気持ちのモヤモヤも一緒に飛んで行って、気持ちを切り替える事が出来るでしょう。
すぐに出来る気持ちの切り替え法として3つご紹介しましたが、これらは早めに行う事で効果を発揮します。
ストレスをため込み過ぎてしまう前に、ちょこちょことガス抜きをしてあげるのが大切です。
ぜひ、試してみてください。